こんにちは、yujiです。
前回は、給与明細の見方で特に大事な控除の部分、『所得税と住民税』について見ていきました。今回は控除のもう一つの項目、社会保険について解説していきます。
税金もそうですが、今回の社会保険も大事な部分になってくるので、ぜひマスターしていきましょう。
- 社会保険とは?
- 社会保険の制度について
それではどうぞ^^
Contents
社会保険とは?
前回の記事で給与明細の項目やらあれこれ書いたので、今回はさっそく社会保険について解説していきますね。
そもそも社会保険ってなに?
一般的には、国民の生活を保障するために設けられた公的な保険制度のこと。この『公的な保険』ってとこがポイントです。保険は大きく分けて、公的な保険と私的な保険の2つに分かれます。
- 公的な保険
今回解説する社会保険。国や自治体、保険組合などに保険料を納付して、その保障を受けることができる。 - 私的な保険
民間の保険会社が販売している保険商品を買って、自分が求めているニーズに合わして保障を受けることができる。
公的な保険の加入は義務なので、おそらくあなたも保険料を納付して加入していると思います。対して私的な保険は、入っても入らなくてもどちらでも良いので自分の生活状況に応じて選ぶことができます。
ちなみに私的な保険というのは民間の保険ですね。よくCMとかでやってる保険のことです。
私的な保険に関しては色々と書きたいことがありますが、今回は主旨が違うのでまた別の機会に書いていきますね。
社会保険は国や自治体、保険組合に保険料を納付してるので、何かあった時に保障してくれるのも国、自治体、保険組合です。
保険料は誰が払ってる?
毎月の給料から、
- 健康保険
- 厚生年金
- 雇用保険介護保険(40歳〜64歳)
これらの項目が引かれます。ただ、上記の保険料は全て自分だけが払ってるわけではなくて、会社も払ってくれています。
従業員も払って会社も払う事を、労使折半といいます。
つまり、自分も払ってるけど会社も負担してくれてるので、何かあっていざ保障を受ける時は、個人事業主や自営業の方より手厚い保障が受けれるということですね。これは会社員の大きなメリットです^^
次に、それぞれどんな制度なのか見ていきましょう。
社会保険はどんな制度?
社会保険は大きく分けて5つあります。
- 健康保険
- 厚生年金
- 介護保険
- 雇用保険
- 労災保険(保険料は会社負担)
それぞれ順番に解説していきますね。
健康保険とは?
健康保険は6つの保障制度からなっています。
- 療養の給付
- 高額療養費制度
- 傷病手当
- 出産育児一時金
- 出産手当
- 埋葬費
上記全てを合わして健康保険と言います。そしてこの健康保険が、僕たちの生活になにか支障があった時、金銭的にも精神的にも助けてくれる最強の保険です。
1、療養の給付
これはもうすでに知ってる方も多いと思います。というかほとんどの方が使ったことあると思いますが、病院での支払い(自己負担)が3割になる制度です。
風邪とかケガで病院に通った時に、まず窓口で保険証を提出していると思います。それから症状を見てもらって最後に診察代を払いますよね?
お会計で「○○円です」と言われますが、その時はすでに7割を減らした金額で請求されています。つまり、窓口での支払いは自己負担額3割で済んでいます。
2、高額療養費制度
ここからちょっと難しい内容になってきますが、逆に言えば知っておくとかなり有利になるのでぜひ抑えておきましょう。
ちょっと難しく聞こえますが簡単にいうと、「高額な医療費がかかった場合は、窓口での支払いはある一定の金額でオッケーですよ」てことです。この『ある一定の金額』はその人の所得によって変わります。
ちょっとややこしい計算があるのでここでは割愛しますが、興味のある方は確かめてください。
ざっくり年収500万ぐらいの場合、ひと月に医療費が100万円かかっても窓口での支払いは9万円ぐらいで済みます。どうですか?最強じゃないですか?
この高額療養費制度はホントに知っておくと便利なので、ぜひ覚えてくださいね。
3、傷病手当
次に傷病手当です。
例えば、病気やケガで1ヵ月間入院したとします。勤めている会社が1ヵ月で20日出勤として、初めの3日を除いた残りの日数の16日分に対して手当金が支払われます。
この制度も知っておくと、いざという時の選択肢が増えますよ。
例えば会社にポンコツ上司がいたとして、そのポンコツ上司に意味不明なパワハラを受けてた場合、ストレス抱えながらムリして働いて取り返しのつかない事になる前に、傷病手当を活用してしばらく休んでから復帰する、というのもアリですよね。
この制度は会社員の方にしかありません。個人事業主や自営業の方にはない制度なので、注意してください。
4、出産育児一時金
この制度は、お子さんを出産されてる方だったらご存知だと思いますが、実はこの出産育児一時金も、健康保険の1つなんですね。
知っての通り、子育てはお金がかかります。教育費は人生の三大支出のひとつですよね。出産してからは子ども手当てと言うものが支給されますが、出産の時もお金がかかるので、子ども手当とは別に出産育児一時金(お祝い金みたいなもの)として42万円が支給されます。
出産育児一時金は一出産ではなく、一児に対して支給されます。一児なら42万円、双子ちゃんの場合は84万円です。
5、出産手当
「ん?さっきの出産育児一時金と一緒じゃないの?」と思ったかも知れませんが、保障制度とか保険は名前が似てる制度が多いのでややこしいですが、出産育児一時金と出産手当は全く別物です。
これはさっきの傷病手当と似ていますね。出産のために会社を休んでるので、産まれる前の42日間と産まれた後の56日間は手当金を出してくれます。
金額はさっきと同じで、直近の給料を平均した3分の2です。
この制度も、会社員の方だけの制度になります。
6、埋葬費
最後に埋葬日ですね。
『被保険者』は保険にかかっている本人の事なので、本人とその家族の誰が亡くなっても5万円は支給されます。
健康保険は最強の保険
以上の6つが、健康保険の内容です。どうですか?なんとなく払ってる保険料でも、意外と守られてる制度だなぁって感じがしません?
僕たちが普段から安心して暮らせるのも、この保険のおかげと言っても言い過ぎじゃないと思います。
続いて厚生年金をみていきましょう^^
厚生年金とは?
正式には老齢厚生年金といいます。字で見ても分かる通り『老齢』、つまり65歳になったらもらえる年金のことです。
年金っていうと20代や30代の方にはなかなかピンとこないですよね。まだ30年も40年も先の話しなので、そこまで気にしたことはないかもしれません。
ですが、年金もしっかりとした日本の制度なのでふんわりとでも理解しておいた方が良いです。逆に40代50代の方は受給が近くなってきているので、もうすでに詳しいかもしれません。
ですが、一応年金の仕組みについて少しやっておきましょう。
年金の仕組み
年金は、3階建ての仕組みで構成されています。
- 1階 基礎年金
- 2階 厚生年金
- 3階 企業年金や国民年金基金
上記のように、加入している年金のタイプによってもらえる年金額も変わってきます。
給料を貰ってる方は給与明細の控除欄に厚生年金と書かれてると思うので、2階の厚生年金になります。なので、貰える金額は1階の基礎年金と2階の厚生年金を合わせた金額です。
基礎年金とは?
これは文字通り基礎となる年金ですね。20歳〜60歳の全ての方が加入の対象になります。個人事業主や自営業の方は1階の基礎年金にあたります。
少しややこしいですが、基礎年金は20歳〜60歳の全ての方が加入の対象なので、厚生年金に加入している会社員やアルバイトの方も基礎年金は含まれます。
厚生年金とは?
会社員やアルバイトの方が対象の年金です。上述したように厚生年金は基礎年金も含まれているので、会社員やアルバイトの方は『基礎年金+厚生年金』がもらえます。ちなみに厚生年金は健康保険と同じで、会社も同じ金額を払ってくれています。
給与明細から厚生年金が引かれてますよね?その引かれている金額と同じ金額を会社も払ってくれています。
つまり、毎月2万円給料から引かれている場合は会社も2万円払ってくれているので、合わせて4万円納めてる事になります。なので、いざ年金を貰う時は個人事業主や自営業の方よりは多くなります。
企業年金や国民年金基金
次に3階部分に当たる企業年金と国民年金基金ですね。企業年金は公的年金を補てんする為に、企業が任意に設けている年金制度のことです。将来もらえる年金だけじゃ不安だから、別で自分でも積み立てておくもので、それのお手伝いをしてくれます。
これは強制加入じゃないので、入っても入らなくてもどちらでも構いません。
国民年金基金は、個人事業主や自営業の方向けの年金制度です。これに関しては会社員の方にはあんまり関係がないのでまた別の記事で書いていきますね。
ここまでで健康保険と厚生年金が終わりました。社会保険はあと3つありますが、その中でも『健康保険と厚生年金』は本当に重要な項目ですので、この2つだけはしっかりと覚えておいてくださいね^^
続いて介護保険にいきましょう。
介護保険とは?
会社員の方なら40歳〜60歳の方が対象で引かれています。
介護に必要なサービスを受けるときに優遇されますよってことですね。
雇用保険とは?
これも給与明細から毎月数千円引かれていると思います。
その中でも代表的なのが失業保険です。
もらえる金額や期間は、失業の理由が会社都合(リストラや倒産)なのかで自己都合なのかで変わってきます。管轄はハローワークになるので、気になる場合は一度調べてみてください。
労災保険とは?
最後の労災保険ですね。これは保険料は会社が全額負担してくれているので、給与明細の直接関係してこないんですがせっかくなので軽く解説しておきます。
てことですね。つまり会社員の方は、会社を休んでも保障(傷病手当)されているし、会社で働いている時も保障(労災保険)されているわけです。
まとめ
- 社会保険は5つの制度からなっている
1.健康保険
2.厚生年金
3.介護保険
4.雇用保険
5.労災保険(保険料は会社負担) - 健康保険は6つの制度からなっている
1.療養の給付
2.高額療養費制度
3.傷病手当
4.出産育児一時金
5.出産手当
6.埋葬費 - 厚生年金は3階建てで構成されている
1階=基礎年金(第1号被保険者)
2階=厚生年金(第2号被保険者)
3階=企業年金や国民年基金(加入は自由) - 介護保険料の控除は40〜60歳が対象
- 雇用保険は、労働者が失業した場合などに給付される保険
- 労災保険は、会社がかけてくれている保険で業務上や通勤上に病気やケガ、死亡などがあった場合に給付が行われる。
こんな感じ^^
ちょっと長くなってしまいましたが、なんとなくわかってもらえましたか?ここに書いたもの全てを覚える必要はありませんが、覚えておくと自分の生活にかなり役立ってきます。
しつこいようですが、特に健康保険は必須です。健康保険の内容を知っておくと余計なお金を使わなくて済むし、過剰な保険に入らなくても済みます。また、働き方を変えることもできますしライフスタイルそのものを変えることもできます。
社会の仕組みって知らないと損することが多いです。しかもいざその時が来ても、相手側が教えてくれないことがほとんどです。『知らない=損』こうなってしまいます。
ですので、抑えるところはしっかり抑えておきましょう!
それに、社会保険を理解すれば毎月引かれている控除の金額も「まぁ仕方ないかなぁ」と思うことができません?税金は別として社会保険はしっかりとした保険なので、納得できる部分はあると思います。
今後、給与明細の見方を変えてみてください^^
それではまた。
保険に関してはよくでてくる言葉なので覚えておきましょう。